こんにちは。
すばるプロフェッションズ・アライアンスメンバー、不動産鑑定士の西原稔子です。
今日は、相続税の申告をする際の、建物の評価の方法についてお話しをさせて頂きます。
【相続税の申告では、「固定資産税評価額」を使います。】
自宅を相続したときは、自宅の建物を評価する必要があります。
自宅以外に、相続した建物がある場合も同じです。
毎年5月に、役所から郵送されてくる「固定資産税納税通知書」には、土地と建物の固定資産税評価額が記載されています。「固定資産税」とは、土地や建物を所有している人にかかる税金です。
相続税の申告では、建物の評価は、固定資産税評価額をそのまま使用します。
ただし、賃貸されている建物の場合は、30%減額ができます。
賃貸されている物件は、借り手がいた場合、「すぐに出て行って下さい」とお願いすることが難しいため、30%減額ができることになっています。
【しかし、実際に売れる価格は違う・・・?】
役所が「固定資産税評価額」を算定するにあたっては、そのスタートとなる建築費が、実際の建築費の60%くらいで考えられています。
そして、築年数が古くなると、固定資産税評価額はだんだん安くなっていきます。
このため、例えば5年前に3000万円で建てた建物の場合、固定資産税評価額は1200万円~1500万円になります。
しかし、実際に売れる価格は、もっと高い場合があります。
逆に、かなり築年数が古くて値段が付かない建物の場合でも、固定資産税評価額はそれなりの
価格となっている場合があります。
長男が固定資産税評価額1000万円の建物、次男が1000万円の現金という相続をした場合、一見公平に見えても、実はどちらかが損をしている可能性があります。
相続した建物は、実際にはいくらの価値であるかを把握しましょう。
必要に応じて、不動産鑑定士の鑑定をおすすめします。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
すばるプロフェッションズ・アライアンスメンバー
不動産鑑定士 西原稔子