こんにちは。
すばるプロフェッションズ、不動産鑑定士の西原稔子です。
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私事ではありますが、本日から息子の学校の文化祭です。
息子の学校は港区の地価が非常に高いエリアにあり、付近で分譲されているマンション情報のイメージ画像と価格帯はまさに異次元の世界です。
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それだけ高い地価で、学校の敷地に出来る程の規模であれば土地価格はとてつもなく高い金額になるとご想像されると思いますが、多分、実際にはそこまでは高くならないと思われます。
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その理由は...
土地と道路との関係にあります。
学校の敷地が表の道路に面している部分(間口)が敷地の広さに対して非常に狭いのです。
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イメージとしては、壺や風船でしょうか?
間口が狭く、奥に膨らんでいるイメージですね。
表通りには校門が辛うじて接している位、奥の校舎は殆ど見る事が出来ず、初めて訪れる時は、学校に気付かずうっかり通り過ぎてしまいそうな程です。
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なんで、そんな土地に学校を建てたの?と疑問を持たれると思いますが実は、わざとその様な形状で学校敷地を購入したそうです。
出来るだけ安く土地を購入するために、出来るだけ表通りに面する敷地を避けて購入したとのこと。
土地を購入したのは100年以上前の話ではありますが、当時から相当地価は高くて、苦肉の策だったのかもしれませんよね。
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勿論、これだけ地価の高いエリアでこれだけまとまった土地ですから土地価格は相当高くはなりますが、土地相場(単価)×土地面積の金額に比べたら大分安くなるということですね。
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この様に、間口が狭い、若しくは形状が悪い土地等、条件の悪い土地の場合、相続税を安く出来ることが有ります。
通常、土地に課される相続税の算定で、ベースとなる相続税評価額は(土地が接する道路の)路線価×土地面積となります。
(細かな補正が入ることはありますが)この算出の方法を、路線価方式による土地相続税評価額と呼びます。
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路線価は公示地価の約8割ですから、土地相場に比べたら割安なので、間口と奥行きのバランスが取れた整形地であれば、相続税評価額は市場価値より安くなります。
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即ち・・・
(路線価方式による)土地相続税評価額 < 市場価値
ですね。
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しかし、上記の様に土地の面積に対して間口が相当小さい場合や、形状が悪い場合等は、整形地であれば建てられたであろうボリュームの建物が建てられないなどの理由で市場価値が相当下がります。
そうなると・・・
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(路線価方式による)土地相続税評価額 > 市場価値
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となってしまいます。
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その場合、通常通り(路線価方式による)土地相続税評価額で相続税の申告をしてしまうと、本来の土地の価値に見合った税額より相当割高な税金を払ってしまうことになります。
しかし、いくら申告される方が「実際にはこの土地はそんなに高くないのです!」と訴えても税務署は聞いてくれません。
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そこで、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書を、申告をする際に添付します。(税理士の先生に、不動産鑑定評価書を添付して申告して頂くということになります)
すると、不動産鑑定評価額(市場価値)で土地の相続税を算出してもらうことが出来る、即ち、相続税を安くすることが出来るということになるのです。
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勿論、その不動産鑑定評価書が十分に説得力を有するものと税務署が判断した場合に限ってですので、税務署を説得出来るように、十分な資料、データ等を揃えた上で理論武装します。
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ちなみに、土地の間口が狭い、土地の形状が悪いケースの他に、敷地内に段差がある、傾斜地、道路との高低差が大きい等でも、相続税評価額を安く出来るケースがあります。
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相続税申告の際に「うちの土地、条件が悪いからもしかして・・・」と思ったらご相談頂ければと思います。
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最後までお読み頂き、誠に有難うございました。
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すばるプロフェッションズ
不動産鑑定士 西原 稔子