すばるプロフェッションズ・アライアンスメンバー、司法書士の中村 剛です。
-
司法書士は、法律と登記をとおして財産と権利を護る仕事をしています。
具体的には、不動産登記や会社・法人の登記手続き、裁判所への書類作成などをサポートします。
-
司法書士に加えて、不動産の表示登記の専門家である土地家屋調査士、不動産に詳しくなるため宅建など不動産の資格や、ファイナンシャル・プランナーも取得して、多角的にお客様の問題を解決しています。
-
今日は、「休眠会社」についてお話をしたいと思います。
-
亡くなった父親が生前経営していた休業状態の会社が「みなし解散の登記」をされてしまったが、事業を継続したい、復活させたいというご相談を相続人であるご長男から頂きました。
法律上「休眠会社」というのは、最後の登記から12年を経過している株式会社のことをいいます。
役員の任期の制限がない有限会社については対象外になります。
-
法人を休業する場合は、税務署等に休業中である旨の届出を提出し、社会保険等その他の手続きもすることによって、住民税の均等割が減免や免除される場合があります。
しかし、役員が任期満了になった場合の変更登記の義務はなくなりません。
-
12年経過するまで何も登記をしないと、解散したものとみなして、法務局が、「みなし解散の登記」をしてしまうのです。
取締役の任期は、原則2年、最長で10年とされていることにより、役員の交替や再任があればその旨の登記が本来されるはずです。
長期間、登記がされていないのは、会社としてすでに営業していない、実態がない廃業状態だとされてしまうのです。
-
休眠会社をなぜ整理するかというと、休眠会社の転売は、新しく会社を設立するよりも低コストで、詐欺や脱税などの経済事件の温床になりやすいとされ、犯罪に悪用されるのを防ぐ狙いがあります。ただ、いきなりみなし解散の登記がされるのではなく、まず、法務大臣が対象の会社を官報で公告した後に、対象の会社宛てに通知が行われて、2か月内に登記をするか、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしないと、みなし解散の登記がされて、清算状態になってしまいます。
-
本店移転をしても本店移転登記をしていないと、通知が届かず、気付かないまま解散の登記がされることもあります。
解散の登記がされても、3年内であれば、会社の継続の登記をして、復活させることができます。
しかし、3年を過ぎてしまうと復活できません。
-
「親は亡くなったが、息子がまた引き継いでやりたい」
「新たな事業のために利用したい」
-
そんなときは会社継続の登記をして再スタートをすることができます。
会社の継続、復活にあたり、あわせて様々な登記が必要になってきます。
-
会社・法人の登記について何かわからないことがあれば、お気軽にご相談ください。
-
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
-
すばるプロフェッションズ
登記コンサルタント・司法書士 中村 剛