こんにちは。
すばるプロフェッションズ、不動産鑑定士の西原稔子です。
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最近、TVの情報番組での報道が過熱していた“吉本騒動”
我が家では、主人が以前レギュラー出演させて頂いていたこともあり、日本テレビ「スッキリ」にチャンネルを合わせていることが多いのですが、
番組冒頭での加藤さんと春奈さんの涙の訴えにはビックリしました。
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実はもう一つ、個人的にビックリしていたことがありまして・・・
それは、吉本興業の社屋です。
今回の騒動で、TVに何度も映っていましたが
「芸人さん6000人以上を抱える日本有数の芸能事務所なのに、何でこんなに古めかしくて低層の建物が社屋なのだろう???」
と疑問に思っておりました。
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どうしても気になって、思わず検索して分かったのですが、
こちらの建物、元小学校だったのですね。
四谷第五小学校という、新宿区立の小学校だったそうです。
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こちらの旧小学校への移転が決まった当時(2007年)の記事によると、移転・改修費用は約8億円、移転後の月々の賃料は約350万円の予定だったとか。
昭和9年に建設された校舎の外観を残しつつ、現代の耐震規準に合わせた補強工事を行ったそうです。
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昭和9年と聞いて驚きました。築85年です!
映像では確かに50年は建っている様には見えましたが、まさか昭和初期の建物だったとは・・・
1920年代にドイツやフランスなどを皮切りに世界的に流行した「インターナショナルデザイン」といわれる当時最先端のデザインであったとのこと。当時は相当モダンな建築物だったのでしょうね。
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吉本騒動の映像で初めて観た時には、「こんな都心であれば、建物取り壊してホテルかオフィスビルにすれば良いのに~」なんて思っておりましたが、色々調べているうちに、妙に納得して行きました。
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不動産鑑定には『最有効使用の原則』というものがあります。
「不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)を前提として把握される価格を標準として形成される。 この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。」
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不動産鑑定理論で最も重要な原則の一つです。
今の吉本興業さんの東京社屋敷地は、もしかしたらこの最有効使用には当てはまらないかもしれません。
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しかし、この建物の歴史的価値を考えると、(耐震補強など最低限の改修工事に止め)建物の外観を保持しつつ使用するという選択は、それはそれで素晴らしいことなのかもしれませんよね。
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最後までお読み頂き、誠に有難うございました。
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すばるプロフェッションズ
不動産鑑定士 西原 稔子