「東京と埼玉で SE 構法+省エネ住宅を建てる、株式会社アーキ・モーダ」代表の鈴木です。
今回は、住まいの経済性と安全性についてのお話です。
家を建てるオーナーさんは住まいに対する経済性と安全性はどのように考えるのでしょうか?
日常の業務の中で多くのお客様に出会いますが、実際のところ、建てる時の建築費ばかりに気が行って、建てた後の経済性や安全性を真剣に考えている方は少数派だと感じています。
例えば車を購入するときは、その車の燃費や安全支援装備など詳細に調べ、所有した後の経済性や安全性をよく考えて購入するはずです。
家は車よりも何倍も高い買い物なのですから、建てた後の経済性や安全性をもっとよく考えてみましょう。
ところで、家の安全性と言えば「地震に強い、耐震性のことか!?」と思う方がほとんどかと思います。
もちろんそれもあるのですが、たとえ地震が来なくても、家は毎年多くの人の命や健康を奪っていることをご存知でしょうか?
家にはヒートショックという大変恐ろしい魔物が潜んでいます。
ヒートショックとは温度の急変で体がダメージを受けることを言いますが、実は屋外よりも圧倒的に屋内(家の中)で発生しています。
部屋と廊下、部屋とトイレ、洗面脱衣室と浴室というように急激な室温変化にヒートショックを受け、心筋梗塞や脳梗塞を患い年間1万3000人以上の方が亡くなっています。
交通事故の死者数がおよそ年間4000人なので実に3倍以上の死亡数です。
幸い命を取り留めても、後遺症による介護が待ち構えています。
医療費などの経済的な負担のみならず、周りの家族の方にとっても心身共に大変辛い状況になります。
ここで一旦今度は家の経済性について考えてみます。
家を建てた後の経済性と言えば光熱費が頭に思い浮かぶと思います。
光熱費の中で大きく占める割合は電気代ですが、その中でも冷暖房費がかなりの部分を占めています。
この冷暖房費を削減できればかなり経済的には助かりますね。
この冷暖房費の削減に大きく寄与するのが、省エネタイプのエアコンを選ぶことではなく、建物の断熱性と気密性を向上させることなんです。
建物の断熱性と気密性を向上させると室内を暖めたり冷やしたりするためのエネルギーを減らすこともでき、同時に建物全体の室温も平均化してきます。
そうすることで、先に挙げたあのヒートショックも防ぐことができるのです。
建物の断熱性や気密性(省エネ性能)を向上させることで、家を建てた後の経済性と安全性の両方を満たすことができるのです。
かっこいいデザインの家や素敵なキッチンがある家もいいでしょう。
でもそのような家は断熱性や気密性を十分満たした上で検討されるべきかと思います。
断熱性能や気密性能は長期間にわたり劣化する性能ではありません。
一度きっちり選択すれば一生その恩恵を得ることができます。
省エネ家電は、数年あるいは十数年で買い替えが必要となりますので、省エネ家電に頼ることは結局経済的とは言えません。
ヒートショックから身を守れるレベルの断熱性や気密性を確保するためにはどうしたらいいのか?
次回は、新築時に考慮することと既存家屋でできる対策をお話したいと思います。
それではまた。
すばるプロフェッションズ
東京と埼玉で SE構法+省エネ住宅を建てる
株式会社アーキ・モーダ
代表 鈴木 快