PSE ACCOUNTING FIRM代表税理士の栗原正樹です。

今回と今後の私の担当回を何回か使って「なぜ、税金を払うのか」について、継続的にお話ししていきたいと思います。

国などが税金を徴収する理由は、私達が生活する社会を維持するのに莫大なお金がかかるため、このお金を賄うために税金を徴収しているのです。

つまり、社会を支えるためにはコストがかかるので、私たちは社会に参加する会員として、そのコストを平等に会費として収めているということです。

要するに、お金を出して「豊かさ・便利さ」を買っているわけです。
ただし、国などを通じて得られる「豊かさ・便利さ」は、通常の民間業者から得られる「豊かさ・便利さ」とは異なり、自分がサービスを受けた分・商品を買った分だけお金を払えば良いというものではないのです。

国などを通じて得られる「豊かさ・便利さ」は、税金の支払いという形で、社会全体でかかったコストをみんなで平等に負担する必要があるのです。

私達が税金を支払うことによって、私達が享受している「豊かさ・便利さ」の多くは間接的には民間企業から提供されています。

「国も民間企業のようなコスト感覚を持て」などと言われ、国のコスト感覚の無さが指摘されているのであれば、税金を支払って間接的に民間企業から「豊かさ・便利さ」を得るのではなく、直接民間企業とそれを必要とする人がやりとりした方が良いのではないかと、考えるかもしれません。

しかし、実はこれは理論上不可能なのです。

例えば「美しい空気」「良い治安」「いつでも病院にいける環境」などは、社会には必要とされますが、民間企業が個人に直接販売出来る性格のものではありません。

また、信号機や道路も該当します。
信号機が道路に無ければ、多くの人が困るので、信号機は必要ですが、特定の誰かがお金を払って買うような性格の物ではありませんよね。

ですから、このような場合には、一度、税金として国がお金を国民から集めて、その集めたお金の中から「世の中に必要ではあるが個別に支払いが難しい性格のもの」を、国などが代表して購入することが必要となるのです。

税金を支払う必要性はほかにもありますが、今回はここまでにしたいと思います。
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すばるプロフェッションズ

税理士 栗原正樹より